もうすぐ今年のバレンタインデーが来ますね!「愛の告白」にときめいたのは遥か昔のこと……なんて遠くを見つめている場合ではありません。時は流れ、今やバレンタインデーに本気で「愛の告白」をする人はほんの一部にすぎませんが、 日本のバレンタインデー は「愛」に溢れているのをご存知でしょうか。
欧米でも恋人やお世話になった人にチョコレートを贈ることはあるが、決してチョコレートに限定されているわけではなく、またバレンタインデーに限ったことでもない。そして、男性はよく好きな女性に
ブレスレッド、
ネックレスなどの様々なプレゼントを贈ります。
女性から男性へ贈るのがほとんどという点と、贈る物の多くがチョコレートに限定されているという点は、日本のバレンタインデーの大きな特徴である。しかし最近では、チョコレートにこだわらず、クッキーやケーキ、
メンズマフラーなどを贈る人もいる。また、「恋人までは行かないが、友人として」贈る「義理チョコ」、同性(主に女性)間で贈り合ったりする「友チョコ」、男性が女性に渡す「逆チョコ」、自分で買って食べる「自己チョコ」というものもみられる。
外国発祥の風習を、すっかり様変わりさせて自国の風習にしてしまったわけですが、よく考えると、日本人らしい「愛」が散りばめられているのがわかります。じゃ、なぜこの変わりがありますか。まずは日本におけるバレンタインの歴史を見てみましょう。
●1936年…神戸モロゾフ洋菓子店がバレンタインチョコレートの広告を出す。
このときは男女双方に向けての宣伝であり、その後も恋人に贈り物をする日としてデパートが宣伝をしましたが、定着しませんでした。
●1958年…メリーチョコレートが新宿の伊勢丹デパートでバレンタイン・キャンペーンを開催し、女性から男性へチョコレートを贈ることを提案する。
なぜ女性から男性へなのか?それは主な買い物客が女性であることや、その頃の日本はアメリカのウーマン・リブ運動の影響を受け、女性が恋愛の主導権を握ろうというムードがあったから。時代を読んだ斬新な提案だったのです。
●1970年代…日本チョコレート・ココア協会が2月14日を「チョコレートの日」に制定し、流通業界も大々的にバレンタインデーのチョコレート商戦に力を入れる。
やがて70年代後半にはバレンタインデーが定着しはじめ、その後は1ページ目のような変遷をたどって、現在に至っています。
こうしてみると、日本のバレンタインデーは、外国文化を日本流に巧みにアレンジし、自国の文化に昇華させていることがわかります。チョコレートやギフト市場の拡大もすごいものですが、バレンタインデーによって女性の恋愛行動力が高まったのは事実でしょう。さらに愛情の対象が広範囲になり、バレンタインデーの裾野が広がっています。また、本来の意を取り入れて、男性から女性へという動きが加わるかもしれません。
バレンタインデーは、愛する人に“愛しています”と伝える日。その気持ちをどう表現すするかはあなた次第ですし、恋人とは限りません。そんなことはいちいち伝えなくてもわかってるだろう……なんて野暮なことを言わず、大切な人達にその気持ちを伝えてみると、暮らしの素敵なエッセンスになるように思います。
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